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第14話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


はっと気づけば、一年の半分が終わってしまっている。この調子だと、次に「ハッ」となった時は新年を過ぎて新年度になっていた、なんてこともあるかもしれない。いや、多分そうなる。さすがにそれは駄目だろう。無為に過ごさないためにも、何か目標を立てよう。

何がいいかな。・・・・そうだ、ヌシさんとジュラルミンも誘おう。1人でやるより3人(正確には1人と2匹、いや1人と2ヌイグルミ?)の方がきっといい。善は急げで、ジュラルミンに声をかけた。

「目標? もう決めました」

 おお、すごいな。どんな目標か聞いても?

「ヌシさんたちとビールで乾杯です」

 それは目標でなくて願望じゃないか。目標を聞いているんだよ、目標を。

「間違えていないです。それが目標です」

 ジュラルミンはそう言い、それきりその話には応じなくなってしまった。

 仕方がないから、ヌシさんのところに行ってみた。

『目標? 去年の今頃立てた目標が未達成だから、それ』

 それって、どれのことだよ。

『これのことだよ』

 ヌシさんが手に取って僕に見せてくれたのは、何日か前に買ったマンガ本。そのマンガが目標ってどういうことさ。

『・・・・・』

 ヌシさんは自分の手の中にあるものを見、おもむろにそれを横に置き、別の本を改めて手にとった。

『これのことだよ』

 さっきのマンガ本と似ても似つかないサイズなんだけど? ヌシさん、目標に向けて始動してないだろ。

「・・・・・そんなことより、くまくまの目標は何なのさ」

「そうです、人の目標にケチをつける余裕があるなら、自分の目標を語るべきです」

 ヌシさんとジュラルミンの視線が、痛い。ええと、僕の目標は・・・、目標は・・・、そうだ、これだ! 僕は高らかに宣言した。

『・・・・願望じゃん、それ』

「そうですね、願望です」

 え、駄目? 「急がず、慌てず、のんびりまったり」って目標だよね?

『目標じゃないよね』

「ですね」

『却下だね』

「ですね」

 うーん、いいと思ったんだけどなあ。じゃあ、これは?

『うん、それなら目標だね』

「ですね」

 二人のお墨付きも貰い、僕の目標が決まった。え、何かって? 内緒さ。

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