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第21話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


 つい最近、僕にそっくりな奴が家にやってきた。大きさは僕と同じくらいで、体の色はサギの羽のような白。チャームポイントは、多分、首元のリボン。一体誰なのか、ヌシさんに聞こうとしたら、それより先にこう言われた。名前を考えてくれって。・・・え、僕が考えるの? ヌシさんがお迎えしたのだから、ヌシさんが考えればいいじゃないか。

『じゃあ、シロクマ』

 安直すぎるよ。猫に「ネコ」って名前つけるようなもんだぞ。僕のくまくまって名前のほうが、まだましだ。

『それじゃあ、クマシロ』

 順番を入れ替えただけだよね。ジュラルミンって名前がまともに思えてきたよ。

『なら、クマシロ(仮)』

 もういい、新入りの名前はヌシさんでなく、旦那さんに考えてもらいな。



 さて、さっそく新入りと話をしてみた。僕に野望があるように、新入りにもあるらしい。新入りが語ったそれは、こうだ。

「カラスの濡れ羽色のクマを迎え入れてもらって、そいつと五目並べをすること」

 どうして五目並べなんだよ。そう突っ込んだら、こう返ってきた。

「オセロでもいい」

 だからそうじゃなくて。いや、五目並べもオセロも楽しいけどさ。まだあるじゃないか、黒と白といえば。ヌシさん、教えてあげなよ。

『囲碁のルールを何一つ知らないから無理。くまくまが教えてあげればいいじゃない』

 いや、それは僕も知らないから無理。



 新入りの野望が叶うのはいつの日か。それは、ヌシさんが黒いクマに出会う日だ。いつになるかは神様でも分からないだろうけど、お出かけに連れていってもらうとう僕の野望が先に叶って欲しい。一番近いのは、やっぱり花見か。花見に連れていってくれ、ヌシさん。

『花見か・・・。今年はどうなるだろうねぇ。行けないかも』

近場でいい。徒歩で行けるところでいいからさ。ね、ね?

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