皆様こんにちは。くまくま、だ。
『くまくま、新入りを紹介するよ』
新入り? くましろうなら、もう紹介してもらったぞ?
『なに言ってるの、くまくま。紹介したいのはこの子たちだよ』
この子「たち」? 今、「たち」って言った? 言ったよね?
ヌシさんが両腕には、僕とくましろうに似たのが、いる。しかもその中の1匹は、黒い。
『黒い子が、くまくろう。ミント色の子が、ゆうゆう。桜色の子たちは、まだ決まってない』
ああああああ! 一気に4匹も!! そして、来るのはまだまだずっと先だと思っていたくまくろうが、こんなに早くやってくるなんて!!
『くましろうにも会わせてこよっと』
ヌシさんはそう言って、くましろうのところに行ってしまった。どうしよう、万が一くまくろうが、あの件にOKを出してしまったら。僕は是が非でも兄弟が欲しいってわけじゃないんだよな。兄弟になるとすると兄弟順を決めなきゃいけないし、それ、面倒そうだし。なんとか回避する口実はないものかと考えていると、ヌシさんが若干しょんぼりとして戻ってきた。
『くましろうに、くまくろう達を会わせたんだけどさ・・・』
うん、それで?
『なぜだか兄弟を持つことへの関心がなくなっちゃって、もういいって』
もういいって、義兄弟の契りは結ばなくっていいってこと?
『うん。でも、なんでかなぁ・・・』
せっかくお迎えしたのに、とヌシさんは肩を落としていた。
別の日に、くましろうに理由を聞いてみたんだ。あれほど兄弟を欲しがっていたのにどうしたんだって。
「決められなかったというか、決まらなかったというか」
どうやら、兄弟順をどうするかで揉めたらしい。くましろうとくまくろうは、僕を一番上にと主張したらしいのだが、桜色ズ(名前がまだついていないので、まとめてこう呼ぶことにする)が、自分達が一番上だと言って聞かなかったそうだ。話し合いが決裂しそうになったのを、ゆうゆうが仲裁。それにくまくろうとくましろうが乗り、3対2で「順番はつけない」に決まったんだそうだ。で、兄弟の契りの話も流れたらしい。
「こんなに揉めるくらいならい、無理に兄弟にならなくってもいいかなと。もう家族にはなっているんだし」
ところで。どうして桜色ズが、自分達が一番上と主張したのかというと。
なんでも、ヌシさんはもう1匹桜色のを迎え入れるつもりだったらしく、3匹でくましろうの兄にするのも悪くないと考えて、そう桜色ズに話をしていたらしい。そのため、桜色ズがその気になってしまったのだ。(でも結局3匹目の迎え入れは現在のところ上手くいっていないらしい)でもさ、桜色ズを3匹にしたとして区別がつくのかな、ヌシさんは。多分つかないと思うな、僕は。
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