皆様こんにちは。くまくま、だ。
この前、ミケさんたちに海に連れていってもらったんだ。(前話を参照して欲しい)で、帰ってくるときに、ミケさんから渡されたものがあるんだ。ミケさんに「必ず家に帰ってから見るにゃ。途中で開けるのは絶対駄目にゃ」と言われたから、見たい気持ちをぐっとこらえて帰ってきた。さて、なにをくれたんだろう。ミケさんに貰った容器を開けてみると、何かがぎっしりと詰め込まれていた。中身を机の上に出してみた。・・・なんだこれ。
『あ、シーグラスだ』
しーぐらす? なにそれ。
『シーグラスはシーグラスだよ』
説明になってないよ、ヌシさん。
『シーグラス・・・、海岸で拾えるやつ』
だから説明になってないって。仕方がない、自分で調べるか。ふんふん、なるほど。
『で、くまくま。結局、シーグラスって何?』
自分で調べな。なんでもかんでも人に教えてもらおうとするんじゃない。
さて、このシーグラスをどうしたものか。瓶に入れて飾るのもいいけど、何か作れないかな。ストラップとか、アクセサリーとか。いや、僕にそんなことをする腕はないな・・・。いっそ売るか。
『え、人様から貰ったものを売っちゃうの? しかも、貰ってすぐ?』
いや、それはちょっと駄目でしょ。そう言ったのはヌシさん。え、売るの駄目?
『くれた人が知ったら、がっかりすると思うけど』
そうかなぁ。じゃあ、飾るしかないか。
『いやいや、何か作ろうよ。せっかくだし』
なにが「せっかく」なのか分からないんだけど。それに何か作ったからって、貰ってくれる人いないし。
「そんなことはない」
「作ってくれるなら、貰うよ」
「え、欲しい欲しい」
なぜか僕の周りに皆が集まってきた。くましろうやくまくろう、ゆうゆうだけでなく、シャチまでもが。そのなかには、例の黄色と橙色のシャチもいる。
「「僕もシーグラスを拾うのを手伝ったんだ。売るなんて論外。僕のパートナーに何か作れ、くまくま」」
うわあ、ちょっと待て、待ってくれ。もし作るとして、一体何個作ればいいんだ? 作れるかどうかの保証もないのに。ヌシさん、助けてよ!
『じゃあ、一緒に作ろう。くまくま』
ありがとう、ヌシさん。
『ただし、私の気が向いたらね』
えええええ、ヌシさん、当てにならない!
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