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第29話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


 前回、僕の仲間が増えていない! そうヌシさんに言ったのを覚えてる? そのせいなのかは知らないが、ヌシさんは生首を買ったところで、くまを迎え入れた。

『さあ、くまくま。これで文句はないはず』

 一挙に増えた。全員かわいい。やっぱり、この世で一番かわいいのは、くまだ。・・・でも、6匹は増えすぎだよ。しかも皆同じ大きさもポーズも一緒、違うのは色だけ。名前、どうするのさ。

『くまくまが考えておいて』

 そう言いながら、ヌシさんは新入りくま達が入っていた箱から、大事そうに何かを抱き上げた。・・・シャチじゃないか!!! また増えた!!! 僕の叫びを無視して、ヌシさんは新入りシャチの名前を考え始めた。いや、先にくま達の名前を考えてよ。

『色をそのまま名前にすれば?』

 うわ、超絶適当・・・。見てろ、僕がいい名前をつけてみせる。そう思っていたら、シャチ達の会話が聞こえてきた。

「増えた、増えた、仲間が増えた」

「せっかくだから、全員で宴会だ」

「そうね、お腹もすいたし」

「ヌシに食事を用意させよう。何にする?」

「サカナ!」

「アザラシ!!」

「ペンギン!!!」

 でてくる、でてくる。よく食べるんだな、シャチたち・・・。じゃない、サメだの、クジラだのって言いだしたぞ。なんでも食べるんだな。シャチたち・・・・

「では、シャチ頭数二桁目前を祝して」

 二桁!? いつのまにそこまで? 僕の仲間はそこまでいたっけ?

『いるわよ。随分前に二桁になってる!』

 いやだって、僕だろ、ゆうゆうと・・・・あれ?

『名前はまだない状態のが多いから』

 ああ、そういうこと。

『くまくまが全部名前をつけてやってね』

 えええ、全員で何匹いるんだよ。

『・・・・・さあ』

 それくらいは把握しててくれ!

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