皆様こんにちは。くまくま、だ。
さて、なぜだかシャチたちが騒いでいる。
「我々は断固抗議する!」
「「「抗議する-!」」」
「我々はサメの仲間ではない!!」
「「「仲間ではない!!」」」
「我々は誇り高きシャチだ!!!」
「「「シャチだぁぁぁ!!!」」」
・・・一体何があったのさ、ヌシさん。
『いやさ、これをシャチたちに見せたら、ああなった』
そう言いながらヌシさんが見せてくれたのは、被り物をしたネコのマスコットフィギュア。ああ、最近よく見るようになった「サメにゃん」だね。でもって、シャチの被り物をしてる。これがどうしたのさ。かわいいじゃないか。
「かわいいだって!?」
「本気で言っているのか、そこの馬鹿クマ!」
「ちゃんと見たのか?」
「それとも、目が見えないのか?」
酷い言いようだな。何がそこまで気に入らないのさ。そう思いながらフィギュアを手にとった。・・・・あれ、なんか違和感が。
『くまくまも気づいた? 尾びれがさ、ちょっと』
確かに尾びれがサメっぽいな。縦向きだし、両面とも黒いし。
『それ以上に、サメと一緒にされたって怒ってる』
でも、似てるじゃないか。サメとシャチ。
「何を言っている。阿保クマ。サメは魚類、我々シャチは哺乳類」
「知能は我々の方が上」
シャチ達に詰め寄られ、僕はあやうく腰がぬけそうになった。ごめんなさい、許してください。僕が浅はかでした。
「お前がホッキョクグマだったら、迷わず食ってやるところだ」
「でもまあいい」
「許してやる」
・・・ありがとうございます。
「許さないにゃ!」
え、さっき許してくれたんじゃ・・・って、ミケさん。久しぶりだな。なのに随分ご立腹だけど何かあった?
「これにゃ!」
ミケさんの手には、さっきのフィギュアと、それについていた商品紹介?の紙。
「ネコは被り物なんかしなくても、この世で一番かわいいにゃ!!」
ポカポカとミケさんに殴られた。気持ちは分かるけど、僕に八つ当たりするのはやめてくれ。
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