皆様こんにちは。くまくま、だ。
あっという間に今年も残り1ヶ月。去年の今頃、健康診断前にもかかわらず菓子パンをもぐもぐ食べていたヌシさん。今年はウエハースをもぐもぐしている。今度はなにを集めようとしているのさ。
『なんで何か集めている前提なのさ』
あれ、違うの?
『違わないけど』
やっぱり集めているんじゃないか。今月、水族館で散財したんだろ? お金、大丈夫?
『いやでも、欲しい気持ちは止められない』
だからこそ、くまくまの仲間も増えるんだとヌシさんは開き直った。知らないぞ、破産しても。
でも、ヌシさんが言ったことは事実。確かに1匹仲間が増えた。真っ白なボディに首元の青いリボンが良く似合っている。・・・あれ、誰かに似ている。ものすごく似ている。あ、そうだ。くましろうに瓜二つだ。もう名前は決まっているのだろうか。ヌシさんのことだから「くましろう2号」なんて名前にしていないだろうな。
「いえ、雪の丞と名付けてもらいました」
雪の丞ね。で、どうしてこの名前に?
「ヌシさんの直感らしいです」
気に入っているようだし、まあいいか。ところで雪の丞、普段の居場所だけど、僕と一緒にいない?
「い、嫌です」
・・・そんな速攻で断るなよ。泣きたくなるじゃないか。説得を試みたけど、どうしても首を縦に振ってもらえなかったので、断念することにした。でも、理由だけは聞いておきたい。
「だって、くまくまさんと同じ部屋はシャチがあふれているじゃないですか。僕はこのとおり真っ白だし、ホッキョクグマと間違えられたら一溜りもありません。シャチのお腹にはおさまりたくないんです」
いや、彼らに食われるってきまったわけじゃ・・・
「でもくまくまさん、脅されたんでしょ? 食ってやるって。くまくまさんが食べられずにいるのは、ホッキョクグマじゃないからだって」
誰から聞いたのさ、その話。え、ヌシさんから? ヌシさん、雪の丞に変な話を吹き込まないでくれ!
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