皆様こんにちは。くまくま、だ。
実は今年に入ってから、僕はあることに悩まされている。え、能天気な僕に悩みごとなんてないだろうって? 失礼だな。
悩みは、これだ。
「ヌシさんは、いつ買ってきてくれるのかな」
「楽しみだねー」
「ねー」
「どんなのを買ってきてくれるかな
「早く欲しいねー」
「ねー」
こんな会話が元日の夜から繰り返されているんだ。しかも一晩中。眠れやしない。おかげで僕はすっかり寝不足になってしまった。・・さて件のが誰のものかというと。ヌシさんと旦那さんが元日に連れ帰ってきた2頭のシャチだ。しかもこの2頭、瓜二つときている。この2頭の区別をつけるため、ヌシさんは彼女たちに素敵なリボン(もしくはそれに類する何か)を買ってくると約束したんだ。で、彼女たちはそれを物凄く楽しみに待っていて、毎夜毎夜その話をし続けている。なあヌシさん、もう2か月経つけど、いつになったら買ってくるのさ、リボン。
『探しているんだけどさ、こう心にグッとくるリボンが見つからなくてさ』
適当でいいじゃん、適当で。僕の安眠のほうが遥かに大事。そう言った途端、後ろから頭を叩かれた。痛いなあ、オレンジシャチ。
「僕じゃない」
彼が胸びれで示したのは、桜色ズとくましろう、そして雪の丞。
「「「「リボンは最重要事項!!!!」」」」
い、いつのまに。桜色ズはともかく、くましろうと雪の丞は別の部屋にいたんじゃ・・・。
「リボン選びは重要だぞ」
「似合わない色を選びでもしたら、可愛さが半減、いやそれ以下になりかねない」
「そう、リボンはお洒落の基本」
「まあ、くまくまはサイズの合わない服なんて着ているから、お洒落が分からないんだよ」
う、反論できない。
「「「「くまくまにお洒落は理解できないんだねー」」」」
ぬ、ヌシさん、僕にもリボン買ってくれ。
『・・・女の子のシャチたち全員にリボンを買った後なら』
いつになるのさ。元日シャチ(いまだ名前がついていないので暫定)以外に、女の子のシャチが何頭いるのか分かってるのか? 5頭もいるんだぞ、5頭も!
『というか、くまくま。リボンつけたいの?』
いや、つけたいわけじゃないけどさ。なんだか言われたい放題で悔しいじゃないか。僕もおしゃれと言われたい。それだけさ。
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