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第38話

皆様こんにちは。くまくま、だ。


もう今年も残すところ2か月。・・・あれ、前回書いた時は、残り4か月だったはず。ああそうだ、ヌシさんがフラリとどこかに行って、ようやく戻ってきたかと思ったら、心ここにあらずで、パソコンが借りられなかったんだ。どこへ行っていたのさ。

『特にどこにも行ってないよ。それはそうとさあ、くまくま』

 なにさ、改まって。

「最近、ミケさんが来ないねぇ。元気にしているかな」

 そういえばもう一年くらいは来てないな。ひょっとして、シャチが増えたから怖くて来られないんじゃないか?

『シャチが原因? いやでも、シャチの捕食対象にネコ科の動物はなかったと思うけど』

 ヌシさんが不勉強なだけじゃないのか? ヌシさん、面倒くさがりだもんな。積極的に調べようなんて思わないだろ。

『それがどうしたっていうのさ』

 開き直っちゃったよ。しょうがないなあ。いやでも、

「本当にミケさん元気にしてるかな」

 そう呟いた僕の耳に、懐かしい声が届いた。

「元気にゃ! ものすごく元気だにゃ!」

 元気だったにゃと言いつつ、ミケさんがとてつもなく大きな荷物をドンと置いた。ミケさんの体の何倍もありそうなそれは、ヌシさんでも持てなさそうなサイズだ。

「みんなにプレゼントにゃ! 早速開けて欲しいにゃ!」

 ミケさんに促され、ヌシさんが荷物を開いた。

『こ、これは』

「この世で一番かわいい生き物はネコ! だれもがネコになれる着ぐるみにゃ! 全員分作って持ってきたにゃ!」

 出てくるわ、出てくるわ、凄い量のネコの着ぐるみで部屋が埋まりそうになる。

「これさえ着れば、クマもシャチも人も柴犬も、サメの着ぐるみをきたネコも、ネコになれるにゃ!」

 ・・・サメの着ぐるみを着たネコには、必要ないんじゃないかな。それに僕も着ぐるみなんて・・・って、ヌシさん!?

『似合うじゃん、くまくま』

 あっという間に着せられてしまった。しょうがない、ハロウィンだと思って我慢してやる。

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