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第39話

皆様こんにちは。

くまくま、だ。



最近、熊のニュースが多い。僕みたいなキュートなクマでなく、本物の熊。そんなニュースを見ながら話しているのは、シャチたちとミケさんだ。何故だか全く分からないが、シャチたちとミケさんはすっかり仲良くなっている。

「熊って怖いにゃ。絶対敵わないにゃ」

「大丈夫、僕たちが守ってあげる。海に落としてくれれば、もうシャチに敵ういないからさ」

「嬉しいにゃ。でも、海に落とすまでが大変そうにゃ」

「そう?」

「だから、シャチさんたちが空中を泳いでミケを助けにくるにゃ。それなら安心にゃ」

「よし、じゃあ空中を泳ぐ訓練をしよう!」

いや待て、シャチたちよ。君らはヌイグルミだぞ? 空中を泳ぐどころか、動くことすらできないじゃないか。

「大丈夫、願えばきっと叶う」

「うん、きっと叶う!!」

 えっ!?って顔をしてヌシさんが振り向いた。だよね、やっぱりそういう反応になるよね? 

『自力で動いてくれるなら、水族館に連れていけるかな。あ、ヌイグルミって入館料いくらだろう。子供料金で入れるのかな?』

 いや、そうじゃないだろ、そうじゃ。ヌシさんまで一体なにを言っているのさ。

『あ、ペット不可だからそもそも入れないかな・・・』

 いやだから、ヌイグルミなんだから、ヌシさんが抱えてどこにでも連れていけばいいじゃないか。

『・・・・』

 そうだよな、僕とか、くまくろうとかくましろうとか、シャチたちを外に連れていく(特に昼間)は度胸がいるよな。

『リュックに入る大きさの子なら、連れて行けるけど』

 いけるんかい。なら、僕くらいまでの大きさなら連れていけるよな。次に水族館にいくときは、僕を連れていけ。

『いや、くまくまはリュックに入らない』

 ヌシさんが見せてくれたリュックは、僕が入るにはちょっと微妙な大きさだった。もう一回り大きいリュックを買ってくれないか、ヌシさん。

『やだ、そんなのを買うくらいなら、ほかのものにつぎ込む』

 つぎ込む・・・。無駄遣いは止めておけよ、ヌシさん!

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